【リオ五輪】日本柔道、井上康生監督の苦悩と努力の結晶

  • 2016.08.16 Tuesday
  • 14:21

 

ポイント制というルールの柔道

「金メダル」にこだわりすぎる風潮のある

柔道にいささか嫌悪感があった。

 

襟や腕を掴んで攻めるのは良いが

足払いを避けて、腰を引いて戦う柔道は

柔道着をきたレスリングだ。

 

しっかりと組手を取って戦えばいいのかも

しれないのだが、ポイント制の導入により

パワーまかせでポイントを狙う外国勢が増

えたと言う。

 

そのために、きれいな柔道をしようにも

ポイント狙いで逃げまくる外国勢を相手に

本来の柔道をすることは難しいとも聞く。

 

「効果」「有効」のポイントを取られ

ポイントを取り戻そうと、焦りのなかで

無謀な攻めを行う。

 

柔道のメダル獲得者にはポイントを先取

した後、時間切れを待つ選手が多い。

 

銅メダルで悔しがる日本人選手。

外国勢がポイント制を重視した柔道をする

からと言うのは「言い訳」だ。

 

同じルールの下で戦っているのだから負け

は負けで、それだけの実力ということを

認める潔さがなければならない。

 

銅メダルで悔しいのなら、先にポイントを

取る稽古を積み重ね、早くポイントを取る

あとは時間がくるまで、逃げまわる稽古を

すればいいのだろう。

 

でも、そんなことで「金」をとっても価値

はないのは誰もがわかるはずだ。

 

 

 

井上康生監督の苦悩

実戦的に戦うという技術レベルや実績と

監督とか指導という世界は全く別の世界

なもので、実戦的能力が高くても競技の

向上に対する考え方、人への指導力、人

としての資質などが必要となる。

 

今回34歳という若さで、リオ五輪の柔道

監督に就任した井上康生は悩んだと聞く。

 

現役時代、内股を得意技としてシドニー

大会では100Kg級で金メダルに輝いた。

 

しかし、現役の終盤は、圧倒的なパワーで

日本選手の技術や間合いを封じる外国選手

が台頭する中、一本を取る柔道を最後まで

追い求めて敗れた。

 

代表監督となった今、

現役時代と同じように一本を狙う柔道を

目指すのか、それとも勝つためにポイント

狙いの戦い方を選ぶのか迷ったという。

 

気持ちだけで1本をとることはできない。

1本を取るために何が必要なのか?

何をしなければならないのか?

 

 

外国人に負けない筋力作り

 

故元横綱千代の富士関は、相撲界においては

小柄な体格でありながら、大きな相手と戦い

「横綱」という地位を勝ち取った。

 

関取が行ったことは

●まさしく筋力アップトレーニング

●大きな人相手の技を磨くこと

 

井上監督は一本を取る柔道を目指したと思う。

 

しかし、パワーのある外国勢に対抗するのに

今のままでは一本を取ることは難しい。

 

そこで行ったのが、代表チームにスポーツ

医学の専門家を招き、筋力作りに取り組んだ

という。

 

 

ロシア「サンボ」を逆輸入

 

次に目を向けたのは

外国勢がポイントを取りに来る絞め技。

 

外国勢の絞め技に対応するために

ロシアの格闘技「サンボ」を取り入れた

という。

 

「サンボ」の根源は柔道なのだ。

帝政ロシア時代にワシリー・オシェプコフ

は日本の講道館にて嘉納治五郎のもとで

柔術を学んだと言う。

 

ソ連式フリースタイルのレスリングも

初めは日本式柔道だったという。

 

井上康生は素直にサンボの強さを認めた

のであろう。

 

サンボの利点を部分的に取り入れた稽古

を徹底して行ったという。

 

 

審判員は絶対ではない

水泳や陸上競技のようにタイムや距離を

競う競技は勝ち負けがはっきりわかる。

 

しかし、柔道のように審判員の判断に委ねる

競技は、審判員の判定に不服があることも

良くある。

 

ましてや、柔道のように「指導」「効果」

「有効」「技あり」「1本」と細かい判定基準

があれば、審判員のミスジャッジがあっても

仕方ないことなのだ。

 

だからこそ「1本」という絶対的な技で勝つ

ことが重要となるのだ。

 

 

柔道の立役者 大野将平

金メダルに固執することしか言えない見苦

しい柔道であったが、本来の柔道の姿を見

せたのが、大野将平選手だろう。

 

対戦前の「礼」は柔道本来の「礼に始まり

礼で終わる」理念を態度で示してくれた。

 

加えて、井上康生が目指すところの一本勝

ちを実現してくれたのだ。

 

逃げ惑う外国勢を威圧で攻めより、

「機を見て技を仕掛ける」彼の柔道は

井上康生が求めるところの柔道であったの

ではないだろうか。

 

少なくとも、柔道ファンにとっては理想的

な柔道をしてくれたと思う。

 

 

世界に日本柔道の強さを見せた大野選手が、

井上監督が求めた道をもっとも体現した試合

が、決勝だったという。

 

相手は世界ランキング2位のアゼルバイジ

ャンの選手。体を密着させて技を繰り出す

戦い方を得意とする今年のヨーロッパ王者

に対し、大野選手はあえて相手の土俵で戦

うことを選んだ。

 

「外国選手のパ ワーに負けないよう筋力を

鍛え抜いた。密着した状態から投げる練習

も重ね、自信はあった」。

 

その言葉どおり、相手との力勝負でも組み

負けず、序盤で技ありを奪って主導権を握

り、試合開始から3分すぎに、互いの体が

密着した状態から見事に足技で一本を奪い

日本男子に2大会ぶりの金メダルをもたら

した。

 

 

大野将平の活躍で、影が薄くなってしまったが

90キロ級で金メダルを獲得したベイカー茉秋選手

も本来の日本柔道を貫いたとして、称えるべき選手

といえる。

 

(NHKニュースウェブ、山口哲史記者の記事を

一部流用しました。)

 

流浪猫

 

子供たちの柔道育成に力をいれている「田口教継」の柔道上達革命

 

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